EUSが有効であった早期膵癌:症例2
EUSによって発見された10mmの膵癌
膵癌のリスクファクターである分枝型IPMNの経過観察をしていた患者様です。腎機能障害があり造影剤を使用したCTが施行できず、MRCPと超音波内視鏡で経過観察をしていました。定期観察の超音波内視鏡で、膵頭部に10mm程度の中心に高エコー(白い部分)を伴う低エコー腫瘤を認めました(上図)。MRCPでは異常は指摘できませんでした(下図)。中心部に高エコーを伴っており、典型的な膵癌ではないこと、糖尿病もあり膵が萎縮する過程の変化でも矛盾しないとの判断で、ご本人と相談し短期での経過観察を行いました。3か月後の検査で腫瘤が軽度増大していたため、手術を行ったところ、膵癌の診断でした。膵管へ変化を及ぼさない膵野型の膵癌でした。