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萎縮性胃炎(いしゅくせいいえん)

萎縮性胃炎とは?

 萎縮性胃炎とは、胃の粘膜に長期間にわたって炎症が生じることで、粘膜が壊されたり修復したりすることが繰り返され、次第に本来の胃の粘膜が脱落してしまい薄くなった状態のことをいいます。胃の粘膜の萎縮が進行し長期間が経過すると、腸上皮化生(ちょうじょうひかせい:再生過程で腸の粘膜が胃の中に出来てしまうこと)が起こる場合があります。腸上皮化生は胃癌のリスクになることが知られています。つまり萎縮性胃炎は胃癌のリスクということです。

写真1:萎縮のない胃粘膜です。

写真2:萎縮のあり胃粘膜です。

 

原因は?

 萎縮性胃炎の主な原因はヘリコバクター・ピロリ菌の感染です。その他にも、自己免疫によるA型胃炎や慢性的な胆汁や膵液の逆流によっても萎縮性胃炎は引き起こされます。

 

症状は?

 胃炎という名前ではありますが、萎縮性胃炎の場合には、症状を起こすような激しい炎症が起きている訳ではありません。急性に胃炎を起こした場合には症状を認めますが、慢性的な胃炎の結果である萎縮性胃炎に特徴的な症状はありません。そのため、症状のみでは萎縮性胃炎だと断定することはできません。胃の痛みや膨満感、もたれ感などの症状を自覚する方もおり、ピロリ菌が現在感染している場合には除菌療法を行うと症状が改善することもあります。

 

検査は?

 お勧めは胃カメラです。バリウムでも診断することは可能ですが、胃カメラの方が精度が高い診断が可能です。

 

治療は?

 ピロリ菌に感染している場合には、原則除菌療法をお勧めします。萎縮性胃炎は胃癌やそのほかの悪性疾患が発生しやすい胃粘膜です。そのため早期に除菌を行う事で、発癌のリスクや胃潰瘍のリスクを減らすことが出来ます。また、根本的に萎縮性胃炎を治す治療はありませんので、症状がある場合には症状に応じた投薬治療が行われます。また除菌を行っても萎縮性胃炎自体は消えるわけではありませんので、定期的な胃の検査が必要になります。

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