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胃潰瘍

胃潰瘍とは?

 胃潰瘍は,酸やペプシンにより胃の壁の一部が欠損した状態です。胃の壁にできた傷の深さによって,粘膜層だけにとどまる場合,粘膜下層までの場合,筋層までの場合,漿膜下組織にまで及ぶ場合,の4段階に分類されます(下図)。粘膜層だけの浅い傷の場合はびらんと言い潰瘍ではありません。粘膜下層よりも深い層に及ぶ傷を潰瘍と呼びます。

 

 

症例1:吐血で来院された症例です。クレーター上に粘膜が欠損して掘れています。真ん中にある黒っぽい隆起は露出血管といって、潰瘍により断裂した血管です。こういった血管から拍動性に出血します。

 

原因は?

 原因としては、ピロリ菌や非ステロイド性抗炎症剤(解熱鎮痛薬)、低用量のアスピリン、ストレスなどがあげられます。胃は食物を消化するために強い酸である胃酸を分泌してます。そのため、酸から胃の粘膜を守る機構が働いています。しかしながら、これらの原因があると胃の粘膜を守る機構を弱くなってしまい、胃酸により胃の粘膜が消化されてしまい潰瘍が生じてしまいます。

 

症例2:多発胃潰瘍の症例です。整形疾患で痛み止めの乱用をしていました。痛み止めが原因の胃潰瘍と診断しました。

 

症状は?

 みぞおちの痛みや不快感、食欲不振、空腹時腹痛、嘔気、嘔吐、腹部膨満などです。また出血した場合には吐血(赤もしくは黒い吐物)やタール便(血液が胃酸で消化されタールのような真っ黒い便が出ます(写真))、貧血症状(倦怠感・立ちくらみ・動機・息切れ)が出ることがあります。

 

治療法は?

 出血していない場合には、通常は胃酸を抑える内服の薬や刺激物などを避けた食事療法で改善します。出血している場合には、内視鏡での止血術が第一選択となり、原則入院での治療が必要になります。また近年はピロリ菌感染も減ってきていることから、減少傾向ではありますが、あまりにも我慢をしてしまうと、胃に穴が開いてしまい、腹膜炎を起こし手術を必要になります。

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