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バレット食道/バレット腺癌

 胃と食道は、本来異なった組織で出来ています(食道は扁平上皮、胃は円柱上皮)。バレット食道とは、食道と胃の境目にある食道の粘膜が、本来とは異なる胃の粘膜に置き換わってしまった状態です。バレット食道自体に症状はありません。

 バレット食道の原因のほとんどが逆流性食道炎とされています。胃からの逆流により食道粘膜が傷害され、その粘膜が再生する過程で、胃の粘膜に置き換わってしまう(円柱上皮化生)とされています。つまりほとんどが後天的なものです。日本では、近年の食の欧米化や、ピロリ菌感染による慢性胃炎の低下により、逆流性食道炎の患者様は増えており、今後もバレット食道は増えていくと予想されます。

 ただ組織が置き換わってしまっただけであれば、問題ありませんが、バレット食道からは食道腺癌(バレット腺癌)が発生する可能性があります(報告により様々ですが、年率約0.5%とされています(文献1)。)。そのため、定期的な検査が望ましいとされています。

 治療法は、実際には逆流性食道炎が原因であるが多いため、逆流性食道炎の治療を行い、バレット食道の進行を防ぐ治療になります。バレット腺癌は早期に発見すれば、内視鏡的に治療が可能です。

文献1:Falk GW, Barett’s esophagus. Gastroentelorogy 119: 333-338, 2002.

 

バレット食道の内視鏡画像

奥に観察される円状のくぼみが本来の食道と胃の境目でが、境目が食道側に上がってきています。

 
バレット食道癌の内視鏡画像

画面中央に扁平に隆起した病変を認めます。早期に発見すれば内視鏡治療での根治が望めます。

 

胃と食道の境目が喉元まで上がってきてしまっているlong segment typeのバレット食道です。バレット食道癌を数カ所に認めました。

 

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