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B型肝炎

B型肝炎とは?(なぜ肝臓に炎症が起きるのか)

B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)が血液や体液を介して肝臓に入り込むことで起こる病気です ウイルスそのものが肝臓の細胞を直接壊しているわけではありません。体の中に入り込んだウイルスを排除しようとして、自分自身の免疫細胞(T細胞)がウイルスごと肝臓の細胞を攻撃・破壊してしまうため、炎症(肝炎)が引き起こされるのです
日本国内には約100万〜120万人のHBV感染者(ウイルスを持っている人)がいると推定されています
 

どのようにして感染するの?(昔と今の違い)

B型肝炎ウイルスは、血液や体液を通じて感染します
 

・昔の主な原因(母子感染): 以前は、感染経路の約80%が、ウイルスを持つ母親から出産時に赤ちゃんにうつる「母子感染」でした。しかし、1986年から国がワクチン等を用いた母子感染予防事業を開始したため、現在ではこの経路での新たな感染はほとんどなくなっています

・今の主な原因(水平感染): 現在、新たに感染する経路としては、性行為、不衛生な注射針の使い回し、入れ墨(タトゥー)などが問題となっています

 

症状と経過(急性肝炎と慢性肝炎)

B型肝炎は、感染した時期や年齢によって「一過性」で終わるか、「慢性化」するかが大きく異なります。
 

1. 急性肝炎(大人になってから感染した場合)

大人になってから初めて感染した場合、多くは「急性肝炎」として発症します。

・症状: 30日〜180日という長い潜伏期間のあと、全身のだるさ、発熱、食欲不振、吐き気といった「風邪や胃腸炎に似た症状」から始まります。その後、遅れて皮膚や白目が黄色くなる「黄疸(おうだん)」が現れます

・経過: 症状が出た後、多くは自身の免疫力によってウイルスが体から排除され、自然に治癒(一過性感染)します。ただし、ごく一部で劇症化(急激に肝臓の機能が失われる)することがあるため注意が必要です。

 

2. キャリアと慢性肝炎(幼少期に感染した場合)

免疫の働きがまだ不十分な5歳以下の幼少期に感染すると、ウイルスを排除できず、体内にウイルスが棲みついた状態(HBVキャリア)になりやすいとされています

・沈黙の進行: 感染者の約10%が、6ヶ月以上肝臓の炎症が続く「慢性肝炎」を発症します。慢性肝炎は自覚症状がないことも多いですが、放置すると長い年月をかけて「肝硬変」へ移行し(慢性肝炎の約20〜30%)、さらに「肝臓がん」を発症する危険性があります

 

B型肝炎の治療法

B型慢性肝炎の治療の最大の目的は、ウイルスをコントロールし、肝硬変や肝臓がんへの進行を防ぐことです。主に以下の2種類が使われます。
 

1.インターフェロン(IFN)療法(注射薬)

自身の免疫力を高めるとともに、ウイルスの増殖を抑える薬です。一定期間(1年程度)治療を行い、薬をやめた後もウイルスを抑え込む状態(治癒に近い状態)を目指します。主に35歳以下の比較的若年の患者(長期の内服加療を回避するため)、ALT値が高値(宿主の免疫応答が活発であり、治療効果が得られやすい)、HBV DNA量が比較的低値、肝硬変に至っていない慢性肝炎(非代償性肝硬変は禁忌、代償性肝硬変は非推奨・慎重投与)、ジェノタイプAまたはB(日本で主流のジェノタイプCは奏効率がやや劣る)などが良い適応とされています。

2.核酸アナログ製剤(飲み薬)

 ウイルスの増殖を直接強力に抑え込む薬(エンテカビルなど)です35歳以上の方や、インターフェロンの効果が低い方に第一選択として推奨されます。ウイルスを完全に排除するわけではないため、長期間飲み続ける必要がありますが、現在では耐性(薬が効かなくなること)ができにくい非常に優れた薬が使われています

※B型肝炎の核酸アナログ製剤は、ウイルスの増殖を抑えて肝炎を鎮静化させることには非常に有効ですが、肝臓の細胞の中に潜り込んだウイルスを完全に排除することは難しい薬です。そのため、自分の判断で薬をやめてしまうと下記のように再びウイルスが急増して劇症化する恐れがあり、長期間(場合によっては生涯にわたって)毎日安全に飲み続けることが基本となります。

・肝炎の急激な再燃(リバウンド): 薬によって抑え込まれていたウイルスが、中止をきっかけに再び急激に増殖を始め、肝臓の炎症が以前よりも激しくぶり返すことがあります。

・重症化(劇症肝炎)の危険性: 炎症が急激に進むことで、肝臓の機能が著しく失われる「劇症肝炎」などに移行し、最悪の場合は命に関わる事態になる恐れがあります。

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