脂肪肝とは?
脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪が過剰にたまってしまった状態のことです。脂肪肝は原因によって、大きく「お酒の飲みすぎが原因のもの」「生活習慣(代謝の異常)が原因のもの」、そして「その両方が組み合わさったもの」の3つのタイプに分けられます。
2023年に新しく定められた世界的な基準では、お酒の量と代謝の異常の有無によって以下のように分類されています。
1. アルコール関連肝疾患:
お酒の飲みすぎ(純アルコールで男性1日60g超、女性50g超)が原因となるタイプです。
2. MASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)
お酒をあまり飲まない(男性1日30g未満、女性20g未満)が、肥満や糖尿病、高血圧などの「代謝の異常」があるタイプです。
3. 代謝機能障害アルコール関連肝疾患:
上記2つの中間で、代謝の異常があり、かつお酒もそこそこ飲む(男性1日30〜60g、女性20〜50g)タイプです。
なぜ肝臓に脂肪がたまるの?
脂肪肝になる原因は、タイプによって異なります。
1. お酒が原因の場合(アルコールの過剰摂取)
アルコールが肝臓で分解される過程で、肝臓内の代謝のバランスが崩れてしまいます。これにより、脂肪を燃やして消費する働きがストップしてしまう一方で、脂肪を作る働きが活発になってしまうため、中性脂肪として肝臓にどんどん蓄積されてしまいます。お酒の過剰摂取が3〜4週間続くだけでも、簡単に脂肪肝が引き起こされると言われています。
2. 生活習慣が原因の場合(食べ過ぎ・運動不足)
食べ過ぎや運動不足が続くと、血糖値を下げるホルモン(インスリン)の効きが悪くなります。すると、体がインスリンを過剰に出すようになり、それが肝臓での脂肪づくりを強力に進めてしまいます。また、筋肉の減少(サルコペニア)によってエネルギーが消費しきれなくなることや、日本人特有の「生まれつき肝臓に脂肪がたまりやすい遺伝子」を持っていることも原因になります。
3. お酒と生活習慣の「ダブルパンチ」
肥満や糖尿病などの代謝異常がある方がお酒を飲むと、肝臓にとってよいわけはありませんよね。たとえ少量〜中等量のお酒であっても、肝臓の負担となり病状を悪化させてしまうことが分かっています。
脂肪がたまると肝臓はどうなる?
どのタイプの脂肪肝であっても、最初は痛みなどの症状は全くありません。しかし、放置すると体の中では以下のように病気が進行します。
1. 脂肪が有害になる
肝臓にたまった過剰な脂肪や、アルコールが分解される時に出る物質(アセトアルデヒド)は、やがて細胞にとって有害なものに変化し、肝臓の細胞を傷つけたり、強いストレスを与えたりします。
2. 炎症から「肝硬変・肝臓がん」へ
細胞が傷つく状態が続くと、肝臓の中で免疫細胞が過剰に働き、「慢性的な炎症(脂肪肝炎)」が起きます。これを放置すると、肝臓が徐々に硬くなる「肝硬変」や、さらには「肝臓がん」へと進行してしまう恐れがあります。