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膵癌の発見に有効! 超音波内視鏡検査

 超音波内視鏡(EUS)とは?

 当クリニックでは膵癌の早期発見を目指して、超音波内視鏡検査を取り入れています。超音波内視鏡検査とは、胃カメラの先端に超音波装置が装備された内視鏡です。この内視鏡を口から挿入し、胃や十二指腸から膵臓により近いところで超音波をあてることで、ごく小さな癌がより発見しやすくなる検査です。

 当クリニックではオリンパス社製の超音波内視鏡を用いて検査を行っています。胃カメラの1.5倍くらいの太さがあり非常につらい検査になってしまうため麻酔をかけて寝て頂いてから検査を行います。

 

 内視鏡の先端部から超音波を出し観察を行います。超音波は空気があると伝わらずに観察が出来ません。胃カメラと同じように口から内視鏡を挿入しますが、空気は極力入れずに検査を行う必要があります。また先端部のバルーンを水で膨らませることで、空気を押しやり腸の壁に密着しながら観察することが出来ます。場合によっては水を胃や十二指腸に入れながら観察を行います。内視鏡の検査ではありますが、検査中に内視鏡医が見ている画面のほとんどは超音波画像です。

 

 超音波内視鏡と腹部超音波の違い

 超音波と聞いて馴染みがあるのは、体の表面にゼリーを塗り行う腹部超音波検査や心臓超音波検査などだと思います。超音波は物質内を伝わる透過力と分解能が周波数に対して相反する関係にあります。低めの周波数は深い臓器まで届いて観察が出来ますが、微小なことが解りません。逆に、高めの周波数では微小なことが解りますが、深い臓器までは届きません。そのため、検査対象に合わせて適切な周波数の選定が重要となります。一般的に腹部超音波で用いられる周波数は、3.5-5MHzと言われています。一方で当クリニックで用いている超音波内視鏡は5-12MHzの周波数で観察を行います。膵臓の観察に関して言えば、腹部超音波で膵臓を観察する場合、膵臓の手前には皮下脂肪、胃などの腸管があり、その奥に膵臓があります。つまり周波数を上げすぎて膵臓を細かく観察しようとすると、膵臓まで超音波が思うように届かないこともあるということです(個人差があります)。また、腸管のガスに邪魔をされて膵臓の全体を観察することは容易ではありません。人間ドックの超音波検査で膵臓の部分に「観察範囲内では」や「可視範囲では」などの記載があるのはそのためです。

 一方で超音波内視鏡は、胃・十二指腸の壁を介して周波数の高い超音波を当てることが出来るため、腹部超音波よりもより膵臓を大きくかつ微小な変化まで表現することが可能です。一方で胃や十二指腸の形に左右されやすい検査でもあります。胃・十二指腸の手術をされている場合や胃潰瘍・十二指腸潰瘍で形が変形している場合には技術的に難しいこともあります。腹部超音波とは異なり、EUSの世界では鮮明に膵管が見えたとしても、実際には数mmです。

 

 当院で普段行っている検査の画像を下に示します。

①腹部超音波:やせ型の女性、十二指腸・胃のガスで膵臓が観察困難

 

②腹部超音波検査:やせ型の女性、ガスが少なく比較的膵臓の観察が可能

膵頭部に2-3mmの嚢胞性病変あり。(赤が膵臓、オレンジ内の黒い部分が膵のう胞)

 

③ほぼ同じ膵管径での比較

左は腹部超音波検査で膵管径2.4mm(黄色い円)、右は超音波内視鏡での膵管径2.5mmです

EUS画像の方が鮮明に、かつ詳細に膵臓・膵管を表現することができます。また同じ径ですが、同じ超音波検査でも世界観が違うことがわかるかと思います。

 

 EUSは木を見て森を見ず。そのため見逃しが多いと言われることもあります。しかし、森ばかりを見ていても、1本の木の異変には気が付きません。一般的に森を見る検査はCTやMRIの検査です。森を見ることも非常に大切です。しかし、膵癌は1本の木を気にしない限り助けることが出来ない病気です。1本の木を見るには超音波検査はCTやMRIよりも優れています。森を表現することは出来ませんが、膵癌の早期発見には大きな役割を果たす検査だと考えています。

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